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ボディランゲージの秘密Ⅱ
~犬同士の交流のさせ方~
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The history and evolution of the dog.
-犬の歴史と進化-
犬の歴史
進化の過程の全容は未だ明らかになってはいませんが、およそ1万5千年〜40万年前、1頭の好奇心旺盛なオオカミが人に近づき、共に暮らすようになったという仮説が学術的に一般的な見解になっています。少なく見積もったとして1万5千年前というと羊、ヤギ、牛、豚、鳥などの家畜の歴史より古く、人間が初めて異種の動物と生活を共にした動物だと言われています。
当時はまだヒトの個体数よりもオオカミの方が多く生息していて、ヒトは少ないながらも幾つかの道具を持って狩りを行っていたようです。また、まだこの時期では農耕も知らないヒト達は場所を移動しながら生息していたとされています。当然ながらヒトは他の捕食動物であるネコ科動物、イヌ科動物に捕食されるので身を潜めて暮らしていました。狩りの成功率も低く、食べ物は稀少である事からヒトの個体数は増えづらい厳しい状況です。
仮説では、ヒトが集まって暮らすキャンプに1頭の好奇心旺盛で警戒心の低いオオカミが近づき、ヒトの残飯を食べ始めたとされています。残飯を食べる事でオオカミは狩猟する必要がなくなり、そのままヒトの集落に住ついたとされています。きっとヒトはそのオオカミの優れた動物としてのセンサーに気づいたのことしょう。その優れた嗅覚と警戒心で他の動物が近づけば、ヒトよりも遥かに速く察知し知らせてくれます。さらには捕食者としてのハンター能力を発揮し、ヒト達の狩りに協力してくれました。オオカミにとっても食べ物を捕食するリスクが減り、安全に生活ができます。また、ヒトは狩りの成功率があがり、人口も増えていきます。お互いに利害が一致していたのです。その後、ヒトは農耕技術を発見して一カ所に定住するようになり、現代に続く高度な文明が発達されたとされています。
もしこの1頭のオオカミがいなければ今日のヒトの進化は違った形になっていたかも知れません。我々、ヒトとオオカミは共に暮らし、共に進化して人類と犬となったと言えるのではないでしょうか。
犬の進化
オオカミが飼い馴らされ、人による淘汰で犬となりました。ヒトと暮らすようになり狩りの回数が減ったオオカミは口であるマズルが短くなり、ヒトに対して親和的に振舞うようになります。そして様々な土地で暮らすヒトの生活スタイルに合わせて狩りをする犬、放牧犬などのように家畜を守る犬と沢山の犬種ができていきます。現代でも軍用犬、警察犬、災害救助犬、盲導犬など様々な分野で活躍しています。
犬はオオカミよりもヒトに馴れることが得意です。これはこの進化の過程が大きく影響していると考えられ、オオカミから犬に進化する過程でヒトの存在が重要な鍵を握っているとされています。
このように太古の昔から犬のヒトは密接な関係で繋がっているからこそ、犬にはヒトが必要なのです。大きな進化を遂げた犬ですが、その生態はオオカミの習性を色濃く残しています。動物としての犬を理解しないと噛まれたり、群れに馴染めずに孤独になってしまう不幸な犬を産む事になります。
群れで暮らす
犬の先祖でオオカミも野生の犬も、今日の犬も身体の大きさは他の捕食動物よりも小さいため、群れで行動することで、外敵から身を守り、集団で狩りをすることで身体の大きい鹿などの草食動物を食べています。集団で行動するのは狩りだけではなく、子育てや遊び、警戒や攻撃と生活の全てを共にします。群れのチームワークがシッカリとしていないと狩りの成功率も下がり、危険などから身を守れなくなり、群れは弱くなり全滅の危機に陥ります。そのため群れのリーダーは規律を重んじ、群れを導いて群れの繁栄に一生を捧げます。リーダーになるためには長く険しい道のりの試練を乗り越え、群れのメンバーよりも多くの経験を持っている必要があります。群れのメンバーはリーダーを尊重し信頼することで強い群れが形成されます。このように種の存続のために群れは協調する能力を持っています。現代の犬にとっての群れの構成員は飼主やその家族も含まれます。
如何でしょうか。愛犬との信頼関係を築く上で基本的な犬の習性を理解すれば、犬が本来できない事を無理強いしなくて済みます。また、犬から信頼されることで犬も安心して幸せな生活を送る事ができます。犬は人間とよく似た習性を持ちますが、違う動物です。この事を理解することで犬の気持ちへの理解を深めてみてはどうでしょうか。きっと多くの発見と、愛犬との絆を深めるのに多いに役立つはずです。
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