top of page
ボディランゲージの秘密Ⅱ
~犬同士の交流のさせ方~
healthydogownership・犬のしつけ・問題行動・犬の心理学・犬の行動学・ドッグトレーナー・ドッグビヘイビアリスト・横浜・横須賀・東京・千葉
全国対応・犬の行動心理クリニック Canine Behaviour Counseling, Dog behaviourist, 犬の行動心理カウンセリング
Disciplining and socialization of the dog.
-犬のしつけと社会化-
ドイツなどの欧州では犬を連れて電車にも乗れ、レストランにも入れます。何処にでも連れて行けるわけではありませんが、日本に比べて社会が広く犬を受け入れているようです。イギリスやドイツはとても動物愛護や動物福祉が進んだ国です。でも犬が嫌いな人はいるはずです。犬嫌いな人からクレームが出ないように犬と飼主が振舞えているからこそ、社会に受け入れられているのではないでしょうか。では、なぜ犬が悪さをせずに公共の場所で過ごせるのでしょうか。
それはシッカリと訓練され、社会の環境に慣れさせているからです。
犬は警戒心が強い動物です。性格に個体差はあるものの、自分の周りで起こる環境の変化に敏感に反応します。家で寝ていても、訪問者が来れば真っ先に気づいて起き上がったり、吠えたりするのが良い例ですね。その一方でとても好奇心が強く、色々な物や生き物にも強く興味を示して、近づいて匂いを嗅いだりもします。好奇心を示した結果、それが安全で楽しいものだと解れば気に入ります。そこで怖い思いをすれば、二度と近づかなくなります。こうして学習するのは人間も同じことですね。
公共の場所では車が往来したり、突然大きな音がしたり、知らない人や犬が近づいたりします。社会に慣れていない犬にとっては、これほど慌ただしい未知の世界はありません。動揺したり、不安を感じて当たりまえなのです。人に慣れていない犬に知らない人が誤った方法で近づいたり、触ったりすれば、犬は恐怖を感じて噛む可能性があります。いままで他の犬と交流した事がない犬は犬との交流方法を知りません。うまくコミュニケーションができなければ喧嘩に発展することも充分に考えられます。これはその犬が悪いのでなく、生得的に自然な行動です。
先述したように犬が”これは恐怖の対象ではない”と認識すれば、車が横を通っても人が触っても安心してやり過ごす事ができます。仔犬が散歩デビューすると車やバイクの音を嫌い、その対象物を避けて歩く事が多いのはこの事から言えることです。しかし、安全で楽しい散歩を繰り返す事で『なんだ、車やバイクは音はうるさくて動きが速くて驚くけど、攻撃してこないんだね』と理解し、次第に慣れて、そのうち眼中じゃなくなります。このように経験を積むことで恐怖心は消えていきます。
犬は実体験でのみ学習する事ができる。
人や犬に慣れる、社会の環境に慣れることで不安は解消し、家にいる時のように穏やかでいられるのです。常に犬が穏やかであれば、そこに同行している我々も心配することなく穏やかに散歩や買い物や食事を楽しめるのはないでしょうか。犬も安心し、飼主も安心。お互いにハッピーになれるわけです。この”慣れる”という学習行為が社会化と言われるものです。犬が怖がらないように色々な事に慣れるためには多くの経験をさせて、乗り越える事が必要になってきます。その為には若いうちから沢山の人や犬に合わせて、できるだけ外に連れ出し飼主がその試練を乗り越えられるように導く必要があります。多くの試練を飼主と共に乗り越えることで、お互いの信頼関係も強化され、犬も自信が付きます。
それが犬の社会化訓練です。
犬の社会化には飼主の存在が重要な鍵。犬は独りで恐怖を克服することが苦手です。これは犬に限らず多くの動物も同じで、恐怖の対象から逃げるという性質があるからです。我々が蜂や蛇に遭遇したら先ず逃げるでしょう。しかし、例えば誰かが『逃げなくても大丈夫だよ、方法を教えてあげよう』と対処の方法を学べば克服できるハズです。犬も同じで、飼主が愛犬にその方法を教える事でほとんどの恐怖心を克服できます。それを教えるのは愛犬が最も信頼を寄せる飼主本人が行うことが効果的です。しかし、犬に何かを教えるには飼主にも一定のスキルが求められます。なぜなら犬は人間の言語をすべて理解できないので、犬にとって解り易い方法で教える必要があるからです。
その方法を飼主が学び実践することで、ようやく犬と深いコミュニケーションが取れるようになります。コミュニケーションができるようになれば、こちらの意思を伝える事ができるので社会化訓練もスムーズに進みます。
このコミュニケーションを計る事が”犬のしつけ”の基本だと私は考えています。
面白い芸などできなくても良いのです(かわいくて好きですが)。
犬が突然興奮しても直ぐに落ち着く事ができれば問題にならないのではないでしょうか。
人同士がコミュニケーションをとる為には、お互いに一定のルールがあります。例えば、言語(相手が英語圏の人なら英語を使う)、常識観念などです。
犬は人ではないので人間の言語や常識観念は通用しません。犬に理解して欲しいならば、先ず我々飼主が犬の習性を理解する事が先決です。犬が生得的に理解できないような事を無理強いしてやらせる事は"しつけ"ではなく虐待です。適切な方法で接すれば愛犬は飼主の意思を理解し、恐怖に怯える事なく飼主と共にハッピーに暮らす事ができるのです。
犬を信頼し理解すること、犬に我々を信頼し理解してもらうこと。
"しつけ"とはお互いを理解し意思の疎通をして絆を深める行為です。
犬を飼ったなら”しつけ”をしないと愛犬とも仲良くなれません。
愛犬が安心して暮らせるようになる為に”しつけ”を行いましょう。
適切な”しつけ”が広く関心をもたれることを願います。
本記事は著作権で保護されています。複製・転用は法律により禁じられています。
bottom of page